お便りコーナー

~自立した里子のその後~
 私には、長期でお預かりした里子が3人います。
長期といっても3,4年の長さですが...。
 先ず、T男。三日里親という制度の中で、
施設に在籍している小5のやんちゃな男の子を時々我が家に招きました。
その後、高2に長期委託となり、就職という形で自立していきました。
就職した会社では寮生活でしたが、
翌年、連絡したらその会社は辞めて別の会社で働いていて、住まいは彼女の実家との事でした。
それから、一人暮らしをしたいが保証人がいないのでアパートを借りることが出来ない、
我が家に少し置いてくれと...。で、2ヶ月ぐらいいたでしょうか。
そして、彼女の親に保証人になって貰って、今は彼女と2人で暮らしているようです。
 次にO子。4年間我が家にいたO子は、優秀で、大学に進学して自立しました。
一緒にアパートを探したり、リサイクルショップで家具や家電を探したりと、
明るい未来に夢を膨らませるO子は楽しげでした。
その後、連絡をとってはいましたが、
3年生になる頃アルバイトと学業との両立の難しさから体を壊してしまい、
大学を中退してしまいました。
今は病気を抱えながらも仕事をしていて、私とは時々お茶をしたり、
映画を観たりと気晴らしの関係です。
 最後にA子。我が家に2年半おりました。
寮のある会社に就職して自立。置いていったゴミの上に感謝の言葉がありました。
その後は音沙汰なしでしたが、ある日、二人目の子どもが生まれたと写真がメールで送られてきて、
私たちは大喜び!良かった良かった!
 思えば、自立した子どもにどこまでかかわるか、実子においても同じ事が言えると思います。
ただ、弱い立場に置かれている事は間違いなく、
元里子には何か対処できない事があったらいつでも相談に乗るよ、のスタンスでいようと思います。
最後に、T男から送られてきたメールを紹介します。

 昨日、無事成人式を終える事が出来ました。
今、こうやって仕事して普通に暮らせているのは、確実にあの時Fさんに助けて貰ったからです。
自分がFさんの家を出てからも面倒見てくれて、本当に感謝しかありません。
自分もいつかは温かい心を持った大人になりたいと思っています。
これからも迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 ここまで支援して下さり、本当にありがとうございました。     T男より
~里親 記~
我が家で高校の3年間を過ごしたAちゃんは、今年20歳になりました。
高校デビューをして意欲的に学校生活を送っていましたが、
卒業間近になって不登校になり、思うような進路に進むことができませんでした。
18歳で児相との関わりも終わってしまい、
精神的に不安定な状態が続き、今も自立できないでいます。
自立させることの難しさと継続した支援や確実に自立できるまでの施設が必要だと強く感じさせられました。

 
~みにくいあひるの子~  ※小3女の子K.Oの創作分です


むかしむかし、美しいアヒルが3個の卵を産みました。
3個の卵から3羽のアヒルが生まれましたが、末っ子のアヒルだけがまっ黒でみにくい姿でした。
お兄さんの2羽は末の男の子を川に落としたり、つっついたり毎日いじめていました。
ある日家族と出かけているときに、お兄さんたちはわざと姿を隠して家に帰ってしまいました。
みにくいアヒルの子は泣きながら夜を迎えました。
きっとお母さんとお兄さんは今ごろ夕ごはんを食べているだろうなと思った時にコツンとおでこをたたかれました。
「いててて」と言った時に、目の前におばあさんがキョトンとした姿で立っていました。
そしてアヒルをかかえあげて「かわいそうにきっと迷子になったんだろう、うちのペットにしてやろう」と言いました。
家に着くとネコと白鳥が近くにやってきました。
アヒルは「こんばんは、僕はみにくいけどこれからよろしく」とあいさつすると、ネコと白鳥が「ああそうゆうことか、
オレたちのお手伝いならいいぞ、家に入れよ。
それにしてもみにくいなあ」と言いました。
アヒルはおこって外に出ましたが・・・・・10年後、アヒルは11才になりステキなイケメンになっていました。
幸せになりましたとさ。
                              おしまい 

※里母コメント

K.Oは決してみにくくはありませんが、自分とみにくいあひるの子を重ねているような気がします。